wowakaってどんな人?
筆者の最も好きなアーティストのうちの一人にwowakaという人がいる。
wowakaは元ボカロPで、その後は「ヒトリエ」というバンドで作詞作曲を務めていた。
ボカロP時代は「現実逃避P」とも呼ばれており、じん、ハチ(米津玄師)などとともにボカロ文化に大きく貢献した。
しかし、2019年に亡くなってしまい、その時にハチ(米津玄師)は自身のブログにて
僕にとって彼はライバルであり、親友であり、どこか兄のようでもあった。でも亡くした。今は虚しいけど、それも時間が攫(さら)って行くんだろうなと思う。(Wikipedia)
と綴っていた。
きっかけ
wowakaを知ったのは数年前。
- 高校~大学1年前期
曲単体に興味はなく、好きなアニメのアニソンばかり聞いていた
- 大学1年夏ごろ
アニメ「ハッピーシュガーライフ」OPの「ワンルームシュガーライフ」などから歌い手にはまり始める
そこからすぐにヨルシカ、Eveなどにはまり、彼らのオリジナル曲のほかにボカロ曲のカバーなども聞くようになるが、この時はボカロ自体は興味がなく、むしろ人の声でないと聞けなかった。
- 大学1年秋ごろ
「まあ原曲聞いてみるか」としばらく聞いているうちにボカロ曲は一部を除いて原曲でしか聞けなくなる。
ボカロにハマり、ボカロ必修科目の履修が始まる。
この時にwowakaの曲も多数あったが、当時は意識していなかった。
- 大学1年冬ごろ
とあるボカロ先駆者からwowakaもといヒトリエを勧められ、ハマる。
しかし、ハマった時にはすでにwowakaは亡くなっていたため、新曲を待つ楽しみやライブでの感動などを味わえないことが悔やまれる。
もっと早く知っていれば、、、
本題
wowakaはボカロP時代に1枚だけwowaka名義でアルバムを出していた。
ここに収録されている曲の中にはSpotifyなどで配信されていない曲も多い。
しかしこのアルバム「アンハッピーリフレイン」はプレミアがついていて中々入手できなかった。
ところが、この間アマゾンを覗いてみたらなんと入荷されているではないか。
迷うことなくポチッた。
状態「可」だったので少し不安だったが、いざ見てみると状態は良く、特に目立った傷などもなかった。
長年欲していたものがついに手中にある。。。。
感想
音楽の専門ではないのでうまく感想を言語化できるか不安ではあるが、やれるだけやってみようと思う。
また、youtubeに公式で曲が公開されているものは載せておくので、ぜひ聞いてみてほしい。
- アンハッピーリフレイン
アルバム名にもなっている曲。
1曲目からwowakaの世界観に引き込んできた。
透明感のある調声と激しいドラムやギターの組み合わせで疾走感が生まれている。
画面の向こう、落ちていった
さかさまのガール、おとなのせかい。
それは?
wowakaの代表曲の一つ。wowakaを認識していなくてもボカロ好きな人ならだれでも知っているほどの名曲。
カラオケとかで歌いたくなる曲。
「もう良いかい?もう良いよ。そろそろ君も疲れたろう、ね。」
息を止めるの、今。
- 積み木の人形
イントロからかなり電子音が強く、頭に残るメロディ。
何となくひと昔のRPGのBGMを連想した。
- 僕のサイノウ
なんて言ったらいいかわからないけど、声がとてもいい。
他の曲より少し低音なので耳になじみやすい。
ボカロは、ボーカルの元を変えずに音程もテンポも質も自由に変えずに変えることができるのがいい。
この曲は作曲の前にwowakaの感じていることを紡いでいったのだろうか。
平凡な日々を思うと、何かを失う気がする。
単純に、きみを追うと、なぜ悲しいの?
凡人達が綺麗に見えた。
それを自分に置き換えてみるだけだよ
- 日常と地球の額縁
wowaka本人歌唱はSpotifyにあるので聞いていたが、ボカロはなかった。
これもかなりの名曲。
ああ それは遠くなった。暗い暗い夜を待った。
ふと 誰か擦れ違った。わざわざ躱してんだ。
- テノヒラ
Spotifyにもあるが、聞いてみるとSpotifyの方の前奏より前に5秒ほどさらに演奏があることが分かった。カットされていたのか。
wowakaには珍しくローテンポな曲で、その分歌詞が沁みてくる。
ライブで聞いたら絶対泣いてる。
今、空に浮かべた君 空気に溶かしても
変わらない気持ちがあるだけ
’それだけです。
さよなら。
- とおせんぼ
これも最初に聞いたことのないフレーズがあって一瞬知らない曲かと思った。
- ラインアート
細かく激しい楽器音の上に1音が長いボーカルが乗ることで、一層伸び伸びとした自由な印象を受ける。
- 裏表ラバーズ
個人的にはwowakaの3大有名曲の1つ。
横隔膜つっぱっちゃううううううう!!!
現実直視と現実逃避の表裏一体なこの心臓
どこかに良いことないかな、なんて裏返しの自分に問うよ。
自問自答、自問他答、他聞自答連れ回し、ああああ
- グレーゾーンにて。
1音目から奇抜な印象で一気に引き込まれた。
嫌いキライきらい・・・ 昨日も今日も。
今日も明日も全部。
消える。
ここは歌詞よりも、この部分のメロディがよかった。「消える」の後で音が消え、そこから新たに始まっていくのがいい。
- ずれていく
前奏が全然ちがう。
楽器以外にいろいろな音が混ざっていた。
ずれていく とりあえず
よくわからん ほうこうへ
まるでなにごともないかのよに
間違い探し の痛い、痛い傷跡が勘違いだらけの日常になる
最後の行からラスサビに入るのだが、この時の音程が最高過ぎる。
後述するワールズエンドダンスホールで顕著になるが、この音程には人の感情を昂らせる未知の力があるように思う。
- リバーシブルドール
サビのテンポがよく、体が勝手に動いた。
また、wowakaの曲全般に言えることだが、サビに向けてだんだんと音程が上がっていき、サビに入る直前の音程がくると得も言われぬ気持になる。
- ワールズエンドダンスホール
言わずと知れた神曲。ボカロ神曲メドレーを聴けば必ず入っている。もし入ってなければそのメドレーの看板は嘘だ。
「短い言葉で繋がる意味を
顔も合わせずに毛嫌う理由を
さがしても さがしても
見つからないけど
はにかみながら怒ったって
目を伏せながら笑ったって
そんなの、どうせ、つまらないわ!」
ホップ・ステップで踊ろうか
世界の隅っこでワン・ツー
ちょっとクラっとしそうになる終末感を楽しんで
パッとフラッと消えちゃいそな
次の瞬間を残そうか
くるくるくるくるり 回る世界に酔う
特にこのあたり(Bメロ→サビ)が素晴らしい。これは歌詞というより音として聞いてみてほしい。
- プリズムキューブ
静かで滑らかな曲。アルバム最後の曲にふさわしく、ここまでの流れをきれいに締めてくれた。
ただ、聞いている最中にそれが理解できてしまう分、「もう終わってしまう」と感じて寂しい気持ちになった。ライブと同じ現象。
あの、後奏になると「頼む!音よ鳴りやまないでくれ!」という感覚。
まとめ
アルバム全体として料理のフルコースに例えられそうだと思っていたけどそんなことなかった。
主菜となる神曲や名曲とデザートとなる締めの曲しか存在しなかった。
主役しかいない。
というわけで、半分以上はどこかで聞いたことがある曲たちだったが、前奏が実はもっと長かったものがいくつかあったのが発見だった。
あとは、youtubeに上がっているものとアルバムのもので同じ曲でも音が結構違った。
それも含めて、今回は買えて本当によかったと思う。
今回は1回ずつ聞きながら書いたので感想はこんなものだが、この先何度も聞いて曲それぞれの感想、アルバム全体の感想ともにさらに深めていきたい。
また、DISC2にはremix版も収録されているそうなので、後で聞いてみようと思う。
ちなみに、もともとの予定ではアルバム全体についてか、特に気に入った曲の感想だけ書くつもりだった。
しかし、予想外に感想が出てきてしまったためブログも長くなってしまった。
おまけ
wowakaはもう1曲偉大な曲を残しているため、このアルバムには収録されていなかったが紹介しておく。
- アンノウンマザーグース
かっこよさに全振りしている。
ボカロにハマり始めて最初に聞いたときはサビがどこかわからなかった。
そう、サビで突然穏やかになるのだ。
まあ、最近ではどのフレーズもサビに聞こえてくるけども。
他には、wowakaはヒトリエのボーカルとして活躍してからも数多くの名曲を生み出している。
いずれ本格的に紹介したいが、ここでは特に好きな曲を。
- ワンミーツハー
ヒトリエとして一番有名な曲。
自分もヒトリエを勧められたときに最初にこの曲を聞いた気がする。
かっこいい。
- アンチテーゼ・ジャンクガール
自分がヒトリエの中でダントツで好きな曲。
この曲には中毒性があり、聞けばどんな時でもテンションがブチ上がり、歌えば脳汁がはじけ飛ぶ。
どこがそんなにいいのかと聞かれると答えられないが、とにかく最高の1曲。
ただ、ヒトリエはテンポ、音程ともに難易度が高いので中々うまく歌えないのがネックだったりする。
カラオケに行くたびに脳汁を分泌させながら歌っているが、いつかうまく歌えるようになりたい。