ムートン・ノワール 感想

 

 

事前情報なしでプレイしたかったのでダウンロードサイトのメッセージも読まずに最後までプレイした。

中盤までは正直「この作品は一体何を伝えたいんだ?」と困惑しっぱなしだったが、アドルフの「結局今の状況も今までと変わらず、死の確率の話じゃないか」というところで少しわかった。私たちは次の瞬間にも死ぬ可能性は否定できないのに、なんで死ぬことはないと、可能性を排除して生きていられるのか?そういうことだと思う。みんな死ぬかもしれないんだから悔いのないように生きようとかそんな結論ではなく、単純に疑問を投げつけるような作品だった。

途中でシュレディンガーの猫の話になったときは「まああれだけ確率連呼してたら来るかもな」とは思っていた。まさか本当に猫で実験したとは思わなかったが笑

観測していないにもかかわらず確率に明らかな偏りが生じた→我々人間以外の観測者が存在し、事象を決定している、という考えは面白かった。そこから実際に最強の人間を作ろうと国家プロジェクトが動いてしまうのはとんだ終末世界だ。せめて秘密裏でやってほしい。

プレイ後にダウンロードサイトで力を入れたところを見て納得した。

子どもたちの多様な死に様、アドルフとカフカのBL、猫、大人の理不尽、ほぼ全BGMエリック・サティ楽曲

BL要素は正直感じなかったが、それ以外はすべて存分に受け取ったと思う。本当に多彩な死に方をしていました。

エリックサティは羊おじさんから知ったが、その影響でエリックサティ=陰鬱でさみしい、というイメージで固定されてしまった節がある。

これで羊おじさん倶楽部の作品は「さよなら、うつつ。」「彼女は時のねじを逆向きに回した」「魔女魔少魔法魔」「殺イコ・キネ死ス」と合わせて5作品プレイしたことになるが、まだプレイしていない作品がいくつかあるのでそれらもやっていきたい。