はじめに
ここ数か月で今までも感じてはいた課題点が浮き彫りになってきた。
自分でいろいろと試行錯誤したり、有益そうなアドバイスをもらったりしたので、忘れないうちに書いておこうと思う。
課題点
物事の本質を理解することが苦手
具体的内容
知識をインプットするときに、その文言を記憶しようとしてしまう。
例えば「aはb」という物理現象Aをインプットしたとする。
そこには「cはd,dのときはe,eならa」という前提条件があったり、「aは1という条件下ではbだが2という条件下ではc」という分岐があったりすることが多い。
そして、これは原理を理解することで自分の中で導出できるものだ。
「頭がいい」という場合の指標としてぱっと思いつくのは
- 素早く大枠を理解できる
- 発想が豊か
- 言葉が巧み
- 深い思考ができる
- 説明がうまい
- 機転が利く
などだが、いま考えている力も間違いなくこの一つに入ってくるだろう。
しかし、「aはb」を「知識」として暗記してしまうと、そこから広げていくことができない。
これによって「aはb,cはd,ならeはf」という類推や予想ができない、つまり応用が利かなくなる。
自分はこれが苦手だ。
それは中学生くらいの時からわかっていたことだった。
そこで自分は今まで周囲の人よりもかける時間や密度を上げることでインプットの絶対値を増やして「類推せずとも答えがある状態」を少しでも作れるようにしてきた。
そしてここまではそれで何とかなってきた。
だが、研究においては理解すべき物理現象は星の数ほど存在し、また非常に複雑かつ難解なものばかりだ。
そのためすべてを暗記するなど到底不可能である。
また、周囲は理解力、類推力の高い人たちばかりになり、しかもその人たちも必死でインプットしているためインプットの絶対値でカバーすることも難しくなる。
したがって、これからは暗記に頼るのではなく根底にあるものを理解する力を鍛えていく必要がある。
ということを半年くらい前に痛感してから続けているが、本当に難しい。
というかどうすれば理解力はつくのか。
対応策
まず大切なのは
- わからないことは絶対にそのままにせずに、自分が納得するまで質問する。わかったふりはしない。
だろう。自分はプライドなどそこらの犬に食わせているのでこれは無意識にやっていた。
しかしここには落とし穴があり、教わったことを暗記してしまうことだ。 自分はこれに陥った。
そこで最近行っているのは
- 盲目的に暗記するのではなく、なぜそうなるのかを問い続ける
これは時間と労力を有するが、非常に有効な手段。
具体的には、何かわからないことがあった時に、質問する前に脳内でもう一度考えるステップを入れる。
ただ、すぐに行動する必要があったり、余裕がない状態だと難しい。
そして、それを繰り返してもまだ本質の理解は難しい。
そんな時、研究室の先輩に聞いてみると
暗記するというのはその現象を1面からしか見れないということ。理解するというのはその現象をどんな角度からでも見れるということ。だから、色んな人に説明してみるといい。相手によって前提知識が異なるので、相手に合わせた説明が必要になる。これを繰り返しているうちに多面的に見れるようになる。
というアドバイスをもらった。
たしかに、と思った。
まず、「人に説明する」というアウトプットをすること。今までは「インプットできないんだからアウトプットなんて無理」と思っていたが、相手に理解されるように表現を考えることで自分の中で整理されていくのではないだろうか。
また、いろいろな相手に、というのも重要だ。
例えば、自分の研究室の教授、違う分野の研究者や友達、研究室の先輩などで考えてみる。
高校生などに説明できればいいが、毎回そこまで丁寧にやるほど時間はない。
そうすると、まず同じ作業をしている人であれば大抵の知識を共有しているため少ない情報でも説明が伝わる。しかし、教授となると自分の作業内容の細かい原理までは理解していないうえに、求めている情報も変わってくる。
そして、異なる分野ともなればまず前提から説明する必要がある。
このように、相手に応じて説明は変える必要があり、これを何度も訓練していくうちに自分の理解も深まるだろう。
つまり、このプロセスを行うことで理解力が上がると考えられる。
実際に毎回説明するのは時間的にも状況的にも厳しいので、これを作業しながら脳内で常に行うことがベストだろう。脳内に「なんでそうなるの?なんで今その行動してるの?」と問い続ける教授と先輩と友人を飼う。
できることならそんなもの飼いたくはないが、背に腹は代えられない。
そんなわけで、今後の方針は決まったので後はやるだけ。
なんかきつそうに書いてはいるが、今これに気づけて良かったと思っている。
ぬるい環境だったらこんなこと気にしなかっただろうし、考え方を変える体力があるうちに変えざるを得ない状況になったことはむしろ幸運ではないだろうか。
「これができるようになれば大きく成長できるに違いない!」と信じ込んでやっていこうと思う。
これで理解力上がったら就活で使ってやろ。