ハウルの動く城 感想

 

www.ghibli.jp

はじめに

金曜ロードショーで「ハウルの動く城」を見た。

もともとは流し見るくらいの気持ちだったが、思いのほか考えるところが多かったため、簡単に記録していこうと思う。

 

作画などについて

やはりなんといっても城の描写が特徴的だった。

金属でできていることは色の質感や音からすぐにわかる。停止しているときなどは特に、鉄板一枚に注目するとその硬さや冷たさが伝わってくる。しかし、城全体としてみるとまるで生き物のようなしなやかさがある。正反対の性質を同時に表現できるってすごいな。

 

人物

ソフィー

若い時から声はあまり高くないため老化後の声の違和感がなかった。きっとそれを考慮してなのだろう。

 

老化した直後は腰もかなりまがって頬も垂れ下がっていたが、ストーリーの展開とともに背筋も伸びて若々しくなっていく。

これは、老化を受け入れて自分の能力を知り、前向きになったことで精神的に元気になったことに起因しているのだろうか。

それとも、荒れ地の魔女の力が弱まっているのだろうか。だとしたら西の魔女自身の意図で呪いを解くことはできないけれど命が尽きれば解けるのだろうか。

若い時は自分の気持ちを押し込めて帽子屋を継ごうとしていたが、老人になってからは自分の意見をしっかりと言うようになった。老化によって考え方が変わったのか、異常な状況における自衛意識の表れなのか。

 

追記

どうやらソフィーの自己肯定感と年齢が関係してるっぽい。                                                                                                                                                                          

ハウル

最初の印象は「完全無欠なイケメン」というイメージだったが、髪が赤く染まってしまったシーンやその後ソフィーが王様に断りの宣言をすればいいと提案したときの反応が高校生や大学生のそれだった。実際は何歳なのだろうか。

 

全体

ジブリは一人暮らしをするようになってからめっきり見ることがなくなってしまったが、久しぶりに見てみると見えてくるものが大きく変わっていてとても面白かった。

10年20年越しに同じ作品を見ると自分の感性の変化を自覚できる。

当時は確か登場人物の顔やカルシファー、城の外観などに目がいっていた気がするのに対し、今回は背景やソフィーの若返る過程、キャラやモノの動き方などが印象に残った。もちろんこれらにいい悪いはなく、ただ目線が変わっただけなのだが、自分の見えるものが増えたことを自覚できるのは嬉しい、

 

ただ、今回は金曜ロードショーをリアルタイムで見たため十分時間をもって見れなかったことが残念だった。働き始めたらブルーレイボックスを買って永久保存版にしたい。

10代と20代でも見方がこれだけ変わるのだから、これから先も変わり続けるのだろう。

つまり、ジブリを見て、その時自分が感じたことや考えたことを記憶、記録しておくことで自分の考え方や注目していること、大げさに言えば価値観の変遷を知ることができる。

きっとこれがジブリ作品を名作たらしめる所以なのだろう。

5年ローテくらいでジブリ作品を周回して感想を記録していったら下手したら日記より自分のことがわかるかもしれない。楽しそうだ。