【プロジェクトセカイ】ノーツ速度最適化実験報告書

The optimization of the speed of the notes

monokumax (Received 9 October 2022; published 9 October 2022)

 
プロセカを始めた筆者はまず初めにノーツ速度の最適化に着手した。最初に最適速度のあたりをつけるためにlate-fastの差を取り、次に本測定を実施した。最後に、単純な上達による点数の推移を測定するために点数を時系列で並べなおしたものもプロットして考察を行った。

I. INTRODUCTION

 二週間ほど前、プロセカ[1]を始めた。今まで音ゲー[2]はピアノタイル[3]くらいしか触れてこず、プロセカも以前やった時は早々に「自分はリズム感がないから音ゲーは向いていない」と諦めてしまっていた。

 しかし、ボカロ曲をこよなく愛する筆者にとってボカロ曲に特化したプロセカは無視しできるものではなく、常に頭とスマホの片隅に位置していた。そんな中、ちょうど2周年でガチャが引けるとのことだったので再開し、先達の「どんなに下手でもやればやるほど上達する」との言葉を胸に新たな挑戦を試みた。

 しかし、最初に問題が生じた。それが「ノーツ速度」だ。ノーツとは画面上を流れてくるバー(FIG.1)のことであり、プレイヤーはこのバーが手前のラインと一致する瞬間にタップする必要がある。

FIG.1 ノーツとタップライン




プレイヤーはこのノーツの速度、タップと判定のずれを調整でき、どうやらこれを最初に自分に合わせて調整することが音ゲーマーのたしなみらしい。ところが筆者は今までこのような調整を行ってこなかったため、感覚で調整などできない。だからと言って自分に合っていない速度で練習し続けることは非効率的である。

 そこで、本実験ではノーツ速度を客観的なデータをもとに最適化した。

 

II. Method of measurement

最初は単純にスコアで比較しようと考えていたが、スコアはキャラのレベルなどに依存するためプレイ回数に応じてレベルが上がれば同じ結果でもスコアが高く出てしまう。そこで、独自に以下の判定値を定義し、この値を比較することで最適値を探索した。

(判定値)= perfect×2 + great×1 + good×0 + bad×(-1) + miss×(-2)

また、他にもlate - fastの値も判断基準に加えた。

 

課題曲:にっこり^^調査隊のテーマ(feat.鳳えむ、初音ミク、天馬司、草薙寧々、神代類)

採用理由:測定のため緊張してしまう可能性を考え、すこしでもにっこりするため。

youtu.be

III. Data analysis

FIG.2から、ノーツ速度の最適値は9.1-9.7付近に存在すると考えられる。特に、10を超えると指が追い付いていないことがわかる。

FIG.2 ノーツ速度とlate-fastの関係をプロットした。

FIG.3を素直に見ると、ノーツ速度9.3の時に極大値を持つと考えられる。本来であれば全範囲でさらにデータ点を多くとり統計誤差を取りたいところだったが、1回のデータ取得に2分30秒の時間と集中力が必要となるため、最適値周辺のデータ取得に専念した。

FIG.3 ノーツ速度と判定値の関係をプロットした。

また、ノーツ速度以外の要因、つまり単純に回数をこなすことによる自分の上達による判定値上昇を考慮するため、判定値の変遷も記録した(FIG.4)。これを見ると、右肩上がりではないことから(悲しいことに)上達による変動は考慮しなくてよいと判断できる。

したがって、FIG.3は時系列を考慮しないで見ることができる。また、49回目の試行はfull comboであり、このときのノーツ速度も9.3だったことから、最適値を9.3と決定して実験を終了した。

FIG.4 判定値の変遷。オレンジの線は連続試行の中断を表している。

フルコンボ!ここまで長かった。。。

 

IV. Conclusion

ノーツ速度の最適値は9.3であることが分かった。また、それ以外にも

  • プレイ時の上半身の角度
    指の位置が前後するため、ラインからずれて判定が悪くなる。
  • 身体状態
    眠い時などは集中できず高得点は出ない。
  • 長押しバー
    スライドスピードや離すタイミングなどによるミスが多い。
  • 視点
    視点が画面の真上か斜めなのかで体感のタイミングが多少異なる。

などさまざまな要因が見つかった。これらは同じ曲を何度も連続でプレイしたからわかったことであり、早い段階で知れたことは今後の上達を鑑みれば大きな武器となるだろう。

 

V. Acknowledgments

プロジェクトセカイのアプリ開発を手掛けたCraft Eggのおよび心構えを説いてくださった先達、そして私を生んでくれた両親にこの論文を捧げる。

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[1]「プロジェクトセカイ」の略称。https://pjsekai.sega.jp/

[2]コンピュータゲームのジャンルのひとつで、プレーヤーが楽曲や一種の楽譜と相互作用するゲームのこと。

[3]クラシックなどの有名曲のリズム合わせて4列のタイルをタップするスマホアプリ。

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

やっと終わったー-------!!!!!

いや、もうほんとこの測定してる間本当大変だった。

どんなにミスっても測定を公平にするためにリトライせずに最後までやらなきゃいけないし、「フルコンするまでやろう」と考えてたら全然フルコンできないし。

結局5日もかかってしまったけど、途中で投げ出さなかった自分の辛抱強さをほめてあげたい。

一曲ごとに記録していた。努力の証。

ただ、ひとつ弊害を上げるとすれば、「にっこり^^調査隊のテーマ」を聞いても脳内に浮かぶのは譜面だけで全くにっこりできなくなってしまったことだ。今後この曲は山場を乗り越えた曲として記憶されることだろう。

 

今回は、「せっかくデータ取るならそれっぽい記事にしよう」ということで論文っぽく書いてみたが、文中でふざけられないので終始真顔で「早くおわんねーかな」と思いながら書いていた気がする。いったい何のためにブログを書いてるんだ?

とまあ、その分ここで書きたいことを羅列しているわけだが。

ただ、その分しっかり書いたので、今回は割と達成感がある。「作品」って感じ。

 

他にも、この測定のために本気で何度も挑戦したおかげで、実際に腕はあがったとおもう。実は「にっこり^^調査隊のテーマ」をフルコンする前に、休憩がてらやっていたほかの曲で先にフルコンできていた。

 

他の曲をプレイして感じた点として、課題曲はタイミングを微妙にずらしてきたり、長押しバーをスライドや振動させる必要があったりで難しいところが多かったように思う。その分いろいろと吸収できたので得たものは多かった。

ハードも割とクリアできるようになってきたので、これからはもっとプロセカを楽しめそうだ。