ストーリーの感想
まず、体が宝石でできていて、微細生物によって維持されているという設定が斬新で面白い。
最初の月人との戦闘で体が砕けたシーンはショックが大きかったが、破片さえ集まれば元に戻るため、破片を回収できるかどうかが分かれ目となるのが戦闘としては新鮮。
フォスは非常にもろく戦闘には向かず、何をやってもうまくいかないくせに自身だけは一丁前にある元気なキャラだが、パートナーや自身の体を失っていく過程で、というか冬眠中の出来事が原因で大きく人格が変わっていく。
ここもまた面白い点で、この作品ではフォスたち宝石人の心は体内の微細生物に宿っているため、体が欠けると記憶も一緒に消えてしまう。これにより、足と腕が別物になってしまったフォスの人格も大きく変わってしまったということ。
まあ人間も入れ替わりがゆっくりなだけで、細胞の集合体とみなせば同じようなものかもしれない。
移植手術の後で人が変わった、なんて話も(現実か創作かは置いといて)あるくらいだし。
その後、強くなったフォスはみんなを守れるようになるが、いろいろなことがわかるようになってしまった分悩みも抱えるようになってしまう。
そう、先生が月人とつながっているかもしれないということについてだ。
見ている側としては「月人が仏の姿なのにこちら側のトップが仏に仕えるお坊さん??」とずっと疑問ではあったが、やはりそうか。
でも、月人に恨みのようなものを抱えている様子があったことから、元月人で月を捨ててきたとかなのかな。
または、唯一生き残った人間なのかもしれない。
昔は存在していた人間が、進化の過程でその存在を分け、
- 魂 → 月人
- 血肉 → 海洋生物
- 骨 → 宝石人
となった。
魂からできた月人は人間の欲を引き継いでおり、血肉や骨を取り戻そうとしている。
わかりやすい構造だが、なぜ月人は仏の姿なんだ?
仏教は詳しく知っているわけではないので間違っているのかもしれないが、仏の道というのは欲とは切り離されたものではないのか?
なぜ己の欲のために他を害する存在が仏の姿をしているのだろう。
謎は多い。
演出
正直、このパートが書きたくて記事を書いているまである。
この作品を見るまで、正直言って3DCGアニメの良さがわからなかった。手書きに慣れているとどこか違和感があって、どうしてもそっちの方がきれいに見えてしまう。
そんな感覚を、この作品にぶち壊してもらった。
なんだこの躍動感は。
戦闘シーンや走っているシーンでは、動きがなめらかで明らかにほかの作品と違う。
他にも、これはCGの良さというかこの作品のいい点だが、カメラワークが天才的だった。
キャラの周りをぐるっと回ったり、足元から見上げるように映したり、引きで絵画的に表現したり、、、
いや~すごかった!
また、日常シーンでも驚かされた。
身振り手振りや体の運び方、表情の変わり方の自然さよ。
手描きしか見てこなかった分、「身振り手振りからここまで性格や感情を伝えることができるのか!!」と思い知った。ボディーランゲージ恐るべし。
一部公式Twitterに動画があったので。
もっとすごいところが本編にたくさんあります。
TVアニメ『宝石の国』第3話「メタモルフォス」の次回予告&あらすじ・先行カットを公開!!巨大カタツムリに吸収されてしまったフォスは…!?https://t.co/cmyqgg31V4 https://t.co/T4sJIpIxac #宝石の国 pic.twitter.com/XBVQPkUs6m
— TVアニメ『宝石の国』 (@houseki_anime) 2017年10月15日
この作品では宝石人の手足が長く、動きが大きく見えることも一役買っているのだろう。
それに、今まで多少見たことのあるCGアニメで感じた違和感が一切なかった。
後は、宝石の輝きも映えていて、この作品とCGは相性が良いのかもしれない。というか、これをCGで作ることを決めたことが英断としか言いようがない。
この作品がCGアニメの中で群を抜いているのか、このレベルのものが割とあってまだ自分が出会っていないだけなのかが気になる。
今までCGを無意識に避けていたのがもったいない。
豆知識
きっとほかにまとめている人はいるだろうけどやります。だって自分がやりたいから。
ということで、宝石コーナー!!!
- フォスフォフィライト
和名は燐葉石(りんようせき)。コレクターによって希少性と繊細な青みがかった色が高く評価されている。フォスフォフィライトは非常に脆く壊れ易く、水色から淡い緑色のトルマリンの色合いを持つ。特に大きな結晶は極めて貴重なため加工されることはほとんど無い。
モース硬度:3~3.5
希少だから月人から狙われやすいくせに脆いって最初に言われてたね。
でも、合金との相性がいいとかの記述はなかった。なぜあんなに適合率が高いのか、なぜ勝手に金がまとわりついて意思を持ったように動いたのか。
それはまだ謎のままだが、氷が微弱な意思を持っていることと関係があるのかも?
- シンシャ
辰砂(しんしゃ、英: cinnabar)は硫化水銀(II)(HgS)からなる鉱物である。別名に賢者の石、赤色硫化水銀、丹砂、朱砂などがある。日本では古来「丹(に)」と呼ばれた。水銀の重要な鉱石鉱物。辰砂を空気中で 400–600 °C に加熱すると、水銀蒸気と亜硫酸ガス(二酸化硫黄)が生じる。この水銀蒸気を冷却凝縮させることで水銀を精製する。
モース硬度:2~2.5
水銀って銀色の液体としてしか知らなかったけど鉱物化するんだ。気化して有毒になるのも特性なんだね。
- ダイヤモンド
ダイヤモンド(英: diamond [ˈdaɪəmənd])は、炭素のみからなる鉱物。炭素の同素体の一種であり、天然に存在する物質のうちで最も硬度が高く、一般的に無色透明で美しい光沢をもつ。ダイヤとも略される。和名は「金剛石(こんごうせき)」。
モース硬度:10
これはよく知られる鉱物。硬度で比較するとやっぱ圧倒的に硬いのがわかる。
- ボルツ
カーボナードあるいはカーボネード (carbonado) は、天然の多結晶ダイヤモンド。ダイヤモンドの微細な結晶が緻密に集積した鉱物の変種である。黒色ダイヤモンド[1]あるいはブラックダイヤモンド (black diamond) ともいう。
バラス (ballas)、ボルツあるいはボーツ (bort, boart) ともいうが、粒状結晶からなるものをカーボナード、針状結晶からなるものをバラスと区別することもある。ボルツは、ダイヤモンドの研磨くずを意味することもある。
モース硬度:10
カーボネートというらしい。ボルツの方が呼びやすいからこっちの名前にしたのだろうか。研磨くずって、、、
これを読むと、ボルツの方がダイヤに対して嫉妬心とか持っていてもよかったかも。
- アンタークチサイト
南極石(なんきょくせき、Antarcticite、アンタークチサイト)とは、ハロゲン化鉱物の1種である。室温環境下で融解することを特徴とする鉱物の1つとして知られる。南極石は約25℃で融点に達し、液体化する鉱物である。室温程度で融解する鉱物は、融点が0℃の氷 (Ice) と、-38℃の自然水銀 (Mercury) しかなく、非常に珍しい。
モース硬度:2~3
常温で融点に達する性質から「冬の間だけ活動する」というキャラをつけたのいいな。 いつもは箱に液体として保管されていた。(足なげー)
- ルチル
ルチル(rutile)とは、二酸化チタン(TiO2)の結晶の1つで、正方晶系の鉱物である。金紅石(きんこうせき)とも呼ばれる。屈折率は2.62-2.90とダイアモンドを上回るが、天然に産するルチル自体は結晶が小さすぎるか、または透明でないため、宝石として加工されることは稀である。
モース硬度:6~6.5
あまり髪色が鮮やかではないと思っていたが、金属を含んでいるのか。ほかのキャラと少し違う位置づけなのも宝石と少し違うからかもしれない。
他にもたくさんいますが、とりあえずこんなところで。
最後に
前々から面白いと聞いてはいた「宝石の国」。実際に見てみたら、内容、演出ともにとてもよかった。まだ判明していないことも多いのでぜひとも続編をやっていただきたい!!というか原作買ってしまおうかしら。
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!!!